十二部族の誕生

2025年3月16日主日礼拝
聖書箇所：創世記29：32ー35
創世記29：32 レアはみごもって、男の子を産み、その子をルベンと名づけた。それは彼女が、「主が私の悩みをご覧になった。今こそ夫は私を愛するであろう」と言ったからである。
33 彼女はまたみごもって、男の子を産み、「主は私がきらわれているのを聞かれて、この子をも私に授けてくださった」と言って、その子をシメオンと名づけた。
34 彼女はまたみごもって、男の子を産み、「今度こそ、夫は私に結びつくだろう。私が彼に三人の子を産んだのだから」と言った。それゆえ、その子はレビと呼ばれた。
35 彼女はまたみごもって、男の子を産み、「今度は主をほめたたえよう」と言った。それゆえ、その子を彼女はユダと名づけた。それから彼女は子を産まなくなった。

　先週は、自分のずるがしこさによって結局家を追い出されることになったヤコブが、ベテルというところで神様に出会い、神様の祝福の約束を受けるところでした。
神様はひとりぼっちになり、将来の不安があるヤコブに、素晴らしい約束をくださいました。
創世記28：15 見よ。わたしはあなたとともにあり、あなたがどこへ行っても、あなたを守り、あなたをこの地に連れ戻そう。わたしは、あなたに約束したことを成し遂げるまで、決してあなたを捨てない。」
　さて、その約束の通りにヤコブは母リベカの実家に近づきましたが、そこで思わぬ出会いが与えられました。井戸のそばで母リベカの兄、ラバンの娘であるラケルと出会うのです。
創世記29：5 それでヤコブは、「あなたがたはナホルの子ラバンをご存じですか」と尋ねると、彼らは、「知っています」と答えた。
6 ヤコブはまた、彼らに尋ねた。「あの人は元気ですか。」すると彼らは、「元気です。ご覧なさい。あの人の娘ラケルが羊を連れて来ています」と言った。
　ヤコブはラバンに迎え入れられます。そして、ラケルのことを好きになり、ラバンのもとで働くことになるのです。
18 ヤコブはラケルを愛していた。それで、「私はあなたの下の娘ラケルのために七年間あなたに仕えましょう」と言った。
　この時期はヤコブにとってとても幸福な時期でした。神様はラバンを通してヤコブを養ってくださり、ヤコブは将来ラケルと結婚することを期待しながら、7年間働きました。
　さて、七年間がんばったヤコブはラケルと結婚できることになりましたが、結婚式の後で、ヤコブの妻とされたのはラケルではなく、お姉さんのレアでした。だますのが得意なヤコブでしたが、上には上がいました。ヤコブはラバンにまんまとだまされてしまったのです。失望したヤコブでしたが、ラバンはラケルも妻として与えられました。しかし、それにはさらに七年間働かなければなりませんでした。
　ヤコブにとっては、おじさんからだまされたことはショックだったでしょう。しかし、ラケルが妻になったので、それは良かったと思ったかもしれません。しかし、この一夫多妻は問題を起こすのです。ましてや、ヤコブはラケルを愛しており、レアは愛していなかったのですから、レアにとっても悲劇でした。
　結婚について考えてみます。神様は本来結婚を一夫一妻としました。
創世記 2:24「それゆえ、人はその父と母を離れ、妻と結ばれ、ふたりは一体となるのである。」
　しかし、文化的な要因で旧約時代には一夫多妻が盛んでした。アブラハムも一夫多妻でした。しかし、このアブラハムの一夫多妻は大きな問題を起こしました。世界がこの失敗のせいで憎み合っているとも言えるほどです。同様に、ダビデ、ソロモンも一夫多妻のせいで大きな問題を起こしています。そして、ヤコブの家庭も問題が起こりました。
　さて、レアはヤコブの愛情を勝ち取るために子どもを連続して4人産みます。それぞれ名前は、長男からルベン（見よ、息子だ）、そして、シメオン（聞かれた）、次に、レビ（結びつける）。しかし、三人産んでも夫の心を引き寄せることはできませんでした。そんな時、レアはあることに気づきます。夫の愛情よりも大事なのは神様の恵みである、と。そして、四番目にはユダ、ヘブル語的にはイェフダ（主を賛美する）と名付けました。レアは自分をあわれんで四人の男の子を与えてくださった神様の恵みを悟り、神様を褒め称える人生を生きるようになるのです。
　ヤコブは自分なりには、レアにも夫の役目を果たしました。しかし、もともと好きでもないレアと結婚させられたのですから、ヤコブも辛かったと思います。彼はだます方とだまされる方の両方を体験しました。そして、だまされた人たちが辛い人生を生きなければならないことを味わったはずです。先週、蒔いた種は刈り取るという話をしました。しかし、蒔いた種を刈り取るのは私たちのためでもあるのです。自分が被害者になって初めて気づくことがあるからです。
　さて、ラケルは自分に子どもができないので悔しがりました。そこで、自分の女奴隷ビルハを彼に妻として与え、ダンとナフタリが生まれました。ヤコブは数年で6人の男の子を得たわけです。さらに、レアは自分の女奴隷ジルパをヤコブに妻として与えてました。ガドとアシェルが誕生し、8人の男の子が生まれました。さらに、またレアに二人の子どもが生まれました。イッサカルとゼブルンです。これで10人です。そして、ディナという娘も生まれました。レアからなんと7人も子どもが生まれました。この様子を見ながら、ラケルは悲しんだでしょう。ラケルはヤコブに愛されていました。しかし、子どもは産めなかったのです。ラケルはこの出来事を通して、かなり祈ったことでしょう。そして、神様はその祈りに応えてくださいました。
創世記30：22 神はラケルを覚えておられた。神は彼女の願いを聞き入れて、その胎を開かれた。
　ヨセフが誕生しました。その意味は、「さらに与えられるように」との願いです。
　さて、ここまでですでに14年の時が経っていました。ヤコブは自分の故郷に戻りたくなりました。すると、ヤコブへの祝福を見たラバンは、ヤコブを手放したくなくなりました。欲がラバンの心を支配してしまったのです。ヤコブが自立できないように、その報酬が少なくなるようにしたのです。
　ラバンという人を考えてみると、最初はレアのことを心配して、ヤコブに嫁がせたかもしれません。しかし、14年経って彼はヤコブを低賃金で働かせる経営者になってしまったのです。欲にしばられると家族への愛情も失ってしまう良い例です。聖書がお金に気をつけるように警告しているのは、お金はその人を支配する力を持っているからです。お金は欲を生み出し、欲は罪を生み出し、罪は私たちを神様から遠ざけるのです。ですから、お金が神様にならないように気をつけなければなりません。
　さて、ヤコブはラバンの仕打ちを見て、復讐してしまいます。神様は、奇跡によってヤコブの所有となる「しま毛のもの、ぶち毛のもの、まだら毛のもの」を産むようにしてくださいました。ヤコブを故郷に帰すためです。しかし、ヤコブは神の祝福だけでは物足りずに、ラバンの仕打ちに怒り、彼に復讐します。弱い羊をラバンに、強い羊を自分のものにしたのです。
42 しかし、群れが弱いときにはそれを置かなかった。こうして弱いのはラバンのものとなり、強いのはヤコブのものとなった。
　どちらかが悪を行っても、必ずしも人間関係は破綻しませんが、その悪に対して復讐するとその人間関係は壊れてしまいます。この世では悪をもって悪に仕返しをしますが、クリスチャンは、善をもって悪と戦うのです。
ローマ 12:21 悪に負けてはいけません。かえって、善をもって悪に打ち勝ちなさい。
　主イエスが見本です。主は、私たちが罪人の時、つまり、神に敵対していた時に十字架にかかってくださったのです。それが神の愛であると書かれています。
ローマ人への手紙5：8 しかし私たちがまだ罪人であったとき、キリストが私たちのために死んでくださったことにより、神は私たちに対するご自身の愛を明らかにしておられます。
　神の愛は、罪人を愛し、そのためにご自身ができる最大限をしてくださった愛です。私たちはその愛を素直に受け取り、さらに真似るように召されているのです。
　さて、6年後にヤコブは富める者になりました。神様が彼を祝福してくださったからです。そして、神様はヤコブに故郷に戻るように命じます。
創世記31：3 主はヤコブに仰せられた。「あなたが生まれた、あなたの先祖の国に帰りなさい。わたしはあなたとともにいる。」
　創世記28：15 「見よ。わたしはあなたとともにあり、あなたがどこへ行っても、あなたを守り、あなたをこの地に連れ戻そう。」という約束が果たされる時がきました。ヤコブにもその願いがあり、神様はご自身の約束を忠実に実現してくださるからです、主はご自身の約束の通り、外国の地でヤコブを守り、故郷に戻してくださるのです。
　ところが、ヤコブはレアとラケルと子どもたちと財産をもって、ラバンに言わずにラバンのもとを去りました。ラバンとの関係が壊れているので、平和のうちにヤコブたちを送り出してくれるとは思えなかったのでしょう。
　ビジネス関係において、仕方なく関係が壊れてしまうことはあるでしょう。しかし、家族関係が壊れてしまうことは寂しいことです。ラバンはたしかにずる賢い叔父だったかもしれませんが、ヤコブを迎え入れ、何もないヤコブに仕事を与え、二人の娘までくださった恩人でもあるのです。また、だますということで言えば、ヤコブがエサウをだました方が罪は大きいのです。
　ヤコブの人生を見る時に、愚かだなあと思うと同時に、悪い習慣はなかなか直らないことがわかります。ヤコブはもっとレアを大切にするべきでした。そして、レアの子どもたちを愛する必要がありました。しかし、彼はラケルだけを愛し、大切にしました。このことは後に、ヨセフがエジプトに売られてしまう結果となりました。また、ラバンにひどい目に遭わされても、ラバンに最後まで忠実に仕えるべきでした。自分の罪深さを悟り、ラバンを赦し、良い関係を維持することが必要でした。彼がラバンを憎むことで、娘たちも父親を嫌いになってしまいました、結果として、ラケルが父親のテラフィムという父の大事な像を盗む結果となってしまいました。
　人間関係を作る人がいる一方で、人間関係を壊す人がいます。ヤコブはエサウとの関係を壊し、レアとその子どもたちとの関係を壊し、叔父のラバンとその家族との関係を壊してしまったのです。そして、唯一良い関係であったラケルを失うことになるのです。それは次回の物語です。
　今日はヤコブの物語の２回目ですが、ヤコブを通して神様の祝福と恵み、そして、そのような恵みを受けながらも罪ゆえに問題だらけになってしまうヤコブの人生を見ました。神様が罪を犯させているのではありません。私たちが選んでいるのです。主イエスを信じたら、聖霊の力によって罪に打ち勝つことができるのです。しかし、相変わらす慣れている罪の生活を繰り返してしまうのです。ヤコブのような人生を送らないためには、もっともっと神様の恵みの中に止まらなければなりません。そして、神の祝福を喜び、感謝する生活を起こりましょう。
　これはあまりしてはいけないことですが、ヤコブが正しく生きていたら人生はどうなっていたでしょうか。
　まず、エサウと仲のよい兄弟になっていたでしょう。神様はヤコブを選んでいたので、ヤコブが何もしなくても長子の特権はヤコブに継承されたはずです。そして、彼もまたお父さんと同じようにラバンのところから、ラケルを連れてきて結婚していたでしょう。神様はどのようにしても12部族を作りますから、ラケルの身体を強めて十二人の子どもを産めるようにしたかもしれません。また、ヨセフしか産まなかったとしても、ヨセフを通して12部族が生まれさせることもできたでしょう。
　次に、エサウとの関係が壊れた後でも、ヤコブが悔い改め、自分の人生を変えようとしたらどうなったでしょう。
　ラバンにだまされてレアと結婚させられます。しかし、そこでラケルと同様にレアを愛したらどうなったでしょう。レアは喜び、レアの子どもたちもヤコブを愛するようになるでしょう。レア、ラケル、ジルパ、ビルハとその子どもたちを愛したら、彼の人生はだいぶ変わっていったのです。
　愛せない問題は、自分を愛するからです。
ルカ9：23 イエスは、みなの者に言われた。「だれでもわたしについて来たいと思うなら、自分を捨て、日々自分の十字架を負い、そしてわたしについて来なさい。
十字架とは与えられた重荷です。自分を捨てるから重荷を背負うことができるのです。
　自分を捨てるとは、自分の存在や価値を否定したり卑下するのではなく、自分のうちにある罪の性質を否定して、聖霊に満たされて正しい道を歩けるように求めることです。　
　罪は人生をだめにします。しかし、神はすべてをご存じであって、そのような罪を利用しても偉大な計画を実現させてくださるお方です。ヤコブの人生はそれを教えています。彼が罪を選んでも、神は彼を祝福し、ご自身の計画を実現してくださるのです。
　この事は、安心して罪を犯しましょう、という事にはなりません。罪の結果はきます。たくさんのお土産をもって天国に行く人と何も持たずボロボロのままで天国に行く人がいます。ですから、神様も祝福を受けながら私たちにできることは、人生の方向性をいつもチェックすることです。自分の欲や罪の道から、聖書が教える正しい道を選ぶことです。聖書は羅針盤のような存在です。現代ではGPSでしょう。知らない場所に居ると方向がわからなくなります。しかし、GPSとナビが正しい方向を教えてくれます。正しい方向に進むと、良い人生となります。

祈りましょう。
父なる神様、ヤコブの物語を感謝します。彼は神の祝福をたくさん受けた人でした。しかし、彼自身の中にある罪の性質と真っ向から戦うことをしなかった人生でもありました。彼の行くところに問題が起き、することによって彼と周囲の人たちに困難が来ました。しかし、神様はヤコブを見捨てず、ヤコブへの約束を全部実現させてくださいました。同様に、神様は私たちを愛し、同じ恵みを与えてくださっています。どうぞ、ヤコブのような人生ではなく、主イエスの人生を真似ることができるように助けてください。

The Birth of the Twelve Tribes

Sunday Worship, March 16, 2025
Scripture Passage: Genesis 29:32-35

Genesis 29:32 (ESV)
And Leah conceived and bore a son, and she called his name Reuben, for she said, "Because the Lord has looked upon my affliction; for now my husband will love me."
Genesis 29:33 (ESV)
She conceived again and bore a son, and said, "Because the Lord has heard that I am hated, he has given me this son also." And she called his name Simeon.
Genesis 29:34 (ESV)
Again she conceived and bore a son, and said, "Now this time my husband will be attached to me, because I have borne him three sons." Therefore his name was called Levi.
Genesis 29:35 (ESV)
And she conceived again and bore a son, and said, "This time I will praise the Lord." Therefore she called his name Judah. Then she ceased bearing.

Last week, we looked at Jacob, who, due to his own cunning, was ultimately forced to leave home. At Bethel, he encountered God and received His promise of blessing.God gave a wonderful promise to Jacob, who was now alone and anxious about his future.

Genesis 28:15 (ESV)
"Behold, I am with you and will keep you wherever you go, and will bring you back to this land. For I will not leave you until I have done what I have promised you.”

Following this promise, Jacob arrived near the house of his mother Rebekah’s family, where an unexpected meeting took place. By a well, he encountered Rachel, the daughter of Laban, his mother’s brother.

Genesis 29:5-6 (ESV)
He said to them, "Do you know Laban the son of Nahor?" They said, "We know him." He said to them, "Is it well with him?" They said, "It is well; and see, Rachel his daughter is coming with the sheep.”

Jacob was welcomed by Laban and soon fell in love with Rachel. He decided to work for Laban in order to marry her.

Genesis 29:18 (ESV)
Jacob loved Rachel. And he said, "I will serve you seven years for your younger daughter Rachel.”

This was a joyful time for Jacob. God provided for him through Laban, and Jacob worked seven years with the expectation of marrying Rachel.

After seven years, Jacob was ready to marry Rachel. However, after the wedding, he discovered that his wife was not Rachel, but her older sister, Leah. Though Jacob had been known as a deceiver, he now found himself deceived. Laban had tricked him.

Disappointed, Jacob confronted Laban. Eventually, Rachel was also given to him as a wife—but on the condition that he worked another seven years.
Being deceived by his uncle must have been painful for Jacob. However, since he still married Rachel, he may have felt somewhat satisfied. Yet, this situation of having two wives caused problems. Jacob loved Rachel but did not love Leah. This was a great sorrow for Leah.

God’s Design for Marriage
God originally established marriage as one man and one woman.

Genesis 2:24 (ESV)
"Therefore a man shall leave his father and his mother and hold fast to his wife, and they shall become one flesh.”

However, due to cultural influences, polygamy was common in the Old Testament period. Even Abraham had multiple wives, which led to significant conflicts that continue to affect the world today. Similarly, David and Solomon also faced great problems due to polygamy, and Jacob’s household was no exception.
Leah, seeking Jacob’s love, gave birth to four sons in succession. She named them:

Reuben ("See, a son!")
Simeon ("Heard")
Levi ("Attached")

However, despite having three sons, she still did not win Jacob’s affection. Then, Leah realized something important—God’s grace was more valuable than her husband’s love. With this understanding, she named her fourth son Judah("Praise the Lord!").Through this, Leah learned to live a life of praising God rather than seeking human approval.

Jacob’s Struggles and the Consequences of Deception
Jacob fulfilled his marital responsibilities to Leah, though he had been forced into marriage. This must have been difficult for him as well. He experienced both deceiving and being deceived and understood the suffering of those who are wronged.

As we discussed last week, we reap what we sow. However, this is not just a lesson in justice—it is also an opportunity for personal growth. We often only understand the pain of others when we experience it ourselves.

Meanwhile, Rachel, unable to bear children, was troubled. She gave her servant Bilhah to Jacob as a wife, resulting in the birth of Dan and Naphtali. Over a few years, Jacob had six sons. Not wanting to fall behind, Leah gave her servant Zilpah to Jacob, leading to the birth of Gad and Asher, bringing the number of sons to eight. Later, Leah bore two more sons, Issachar and Zebulun, making a total of ten. She also bore a daughter, Dinah. Thus, Leah alone bore seven children. Rachel must have felt deep sorrow as she watched this unfold. Though she was loved by Jacob, she could not bear children. This must have led her to seek God in prayer, and in time, God answered her prayers.

God Remembers Rachel
Genesis 30:22 (ESV)
"Then God remembered Rachel, and God listened to her and opened her womb.”

Joseph was born, and his name means "May He add," expressing Rachel's desire for more children.

By this time, fourteen years had passed. Jacob longed to return to his homeland, but Laban, seeing how much he had been blessed through Jacob, did not want to let him go. Greed took hold of Laban’s heart, and he manipulated Jacob’s wages to keep him dependent.
Considering Laban’s actions, he may have initially given Leah to Jacob out of concern for her. However, over the years, he transformed into a shrewd employer, exploiting Jacob for cheap labor. This serves as a warning about the power of money. The Bible cautions against the dangers of wealth because money has the ability to control people. Money breeds greed, greed leads to sin, and sin distances us from God. Therefore, we must guard our hearts so that money does not become our god.

Seeing Laban’s unfair treatment, Jacob sought revenge. Through divine intervention, God caused the flocks that belonged to Jacob to bear "striped, speckled, and spotted" offspring. This was part of God's plan to send Jacob back home. However, Jacob was not content with God's blessings alone; he also sought retribution against Laban. He manipulated the breeding of the livestock, ensuring that the weaker animals went to Laban while he kept the stronger ones.

Genesis 30:42 (ESV)
"But when the flock was feeble, he did not put them in, so the feebler would be Laban’s, and the stronger Jacob’s.”

A relationship does not necessarily break when one party commits wrongdoing, but retaliation often destroys it completely. The world teaches us to return evil for evil, but Christians are called to overcome evil with good.

Romans 12:21 (ESV)
"Do not be overcome by evil, but overcome evil with good.”

Jesus is our perfect example. He died for us while we were still sinners—when we were enemies of God. This is the love of God.

Romans 5:8 (ESV)
"But God shows his love for us in that while we were still sinners, Christ died for us.”

God's love is unconditional love that does the utmost for sinners. We are called not only to receive this love but also to imitate it.

After six years, Jacob had become a wealthy man because God had blessed him. Then, God commanded him to return home.

Genesis 31:3 (ESV)
"Then the Lord said to Jacob, ‘Return to the land of your fathers and to your kindred, and I will be with you.’"

Now, the time had come for God to fulfill His promise from Genesis 28:15:
Genesis 28:15 (ESV)
"Behold, I am with you and will keep you wherever you go, and will bring you back to this land. For I will not leave you until I have done what I have promised you.”

God had been faithful in protecting Jacob and now called him back home. However, instead of leaving openly, Jacob took his wives, children, and possessions and fled without informing Laban. Because their relationship was broken, Jacob did not expect Laban to send him off in peace.

In business, relationships may sometimes break out of necessity. However, it is always sorrowful when family relationships are severed. While Laban may have been a cunning uncle, he had also welcomed Jacob, provided him with work, and given him two daughters as wives. If one considers deception, Jacob’s act of stealing Esau’s birthright was a greater offense than what Laban had done to him.

Jacob’s life shows us that bad habits are difficult to break. He should have cherished Leah and loved her children, but instead, he only cared for Rachel. This favoritism later led to Joseph being sold into slavery in Egypt. Despite all that Laban did to him, Jacob should have remained faithful to him, recognizing his own sinful nature and choosing to forgive. Because Jacob harbored hatred toward Laban, his daughters also came to resent their father. As a result, Rachel stole Laban’s treasured household idols, the teraphim.

Some people build relationships, while others destroy them. Jacob damaged his relationship with Esau, neglected Leah and her children, and severed ties with his uncle Laban. Ultimately, he also lost the one relationship he cherished most—Rachel. That is a story for the next time.

Today, we see the second part of Jacob’s story—a man blessed by God yet filled with flaws and sins. God does not cause people to sin; rather, we make those choices ourselves. When we believe in Jesus Christ, we have the power of the Holy Spirit to overcome sin. However, we often continue in familiar patterns of sin. To avoid living as Jacob did, we must remain in God's grace, rejoice in His blessings, and live lives of gratitude.

What If Jacob Had Lived Righteously?
This is not something we should dwell on too much, but what would Jacob’s life have been like if he had lived righteously?

First, he would have had a good relationship with Esau. Since God had already chosen Jacob, the birthright would have been his without any deception. Like his father, he could have gone to Laban’s house and brought Rachel back to marry her. Since God’s plan was to establish the twelve tribes of Israel, He might have strengthened Rachel’s body so that she could bear twelve children. Even if she had only given birth to Joseph, God could have still brought forth the twelve tribes through him.

Next, what if Jacob, after breaking his relationship with Esau, had repented and sought to change his life? Even though he was deceived by Laban and forced to marry Leah, what if he had chosen to love her just as he loved Rachel? Leah would have rejoiced, and her children would have loved Jacob in return. If Jacob had loved Leah, Rachel, Zilpah, Bilhah, and all their children, his life would have taken a very different course.

The inability to love stems from self-love.
Luke 9:23 (ESV)
"And he said to all, ‘If anyone would come after me, let him deny himself and take up his cross daily and follow me.’”

The cross represents the burdens given to us. When we deny ourselves, we can bear those burdens. Denying oneself does not mean rejecting or demeaning one’s existence or worth. Rather, it means rejecting the sinful nature within us and seeking to be filled with the Holy Spirit so that we may walk in righteousness.

Sin ruins lives. However, God, who knows all things, can still use our sins to accomplish His great plans. Jacob’s life teaches us this truth. Even though Jacob chose sin, God still blessed him and fulfilled His divine plan through him.
This does not mean that we can sin freely without consequences. Sin brings results. Some people enter heaven carrying many spiritual treasures, while others arrive empty and broken. Therefore, even as we receive God’s blessings, we must constantly evaluate the direction of our lives. We must choose the right path according to Scripture rather than following our sinful desires. The Bible serves as our compass—our GPS in today’s terms. When we are in unfamiliar places, we may lose our sense of direction, but GPS and navigation guide us correctly. Walking in the right direction leads to a blessed life.

Let Us Pray
Heavenly Father, we thank You for Jacob’s story. He was a man who received many blessings from You. Yet, he did not fully confront the sinful nature within himself. Wherever he went, problems arose, and his actions brought difficulties upon himself and those around him. However, You never abandoned him and faithfully fulfilled all Your promises to him. Likewise, You love us and extend the same grace to us. Please help us not to live like Jacob, but to follow the example of our Lord Jesus. Amen.